「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2017年6月28日

スマホの契約解除 8日以内なら違約金なし

▼Q 電話で「もう1台携帯を買って使い分けてはいかがですか」と勧誘され、スマートフォン本体を購入しました。その後、家の近くの店で、スマホで通話できるよう契約を結んだのですが、よく考えると2台も必要ないことに気付きました。解約はできますか。

▼A 相談者の場合(1)電話機本体の売買契約(2)電話機を利用するための電気通信サービス提供契約-の二つの契約を事業者と結んでいます。

(1)は電話勧誘販売ですので「クーリングオフ」(特定商取引法)を検討しましょう。契約書などの法定書面の交付を受けた日から8日以内であれば、理由なく契約を解除できます。

(2)は勧誘によらず、相談者が店頭で契約しているのでクーリングオフは適用されません。しかし携帯の通信サービスなどについては利用者保護のため法律が改正され、一定の場合は解除できるようになりました。

利用者は法定書面を受け取った日(サービスが始まった日が遅ければその日)から8日間は、理由なく契約を解除できます。ただし解除までの間通話などをしていた場合は通話料などの費用は負担する必要があります。この点、支払った金額が原則すべて返金されるクーリングオフとは違い「初期契約解除」制度(電気通信事業法)と呼ばれています。

手続きはいずれも書面でする必要があります。配達証明付きの内容証明郵便を使うのがお勧めです。

西日本新聞 6月28日分掲載(西村幸太郎)

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