「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2011年5月26日

「紛争解決センター」利用を

家の貸借や土地の境界、商品の欠陥など、争い事は大小問わずストレスがたまるもの。でも裁判は大げさだし、かといって間に入ってくれる人もいない。そんな悩みを抱える人にお勧めしたいのが、弁護士会が設置する「紛争解決センター」です。

全国に30カ所、九州では福岡、熊本、鹿児島にあります。ベテランの弁護士や元裁判官、学識経験者が間に立ち、訴訟(裁判)ではなく、基本的に話し合いによる解決を目指すので、さほど心理的な圧迫感もなく、気軽な雰囲気の中で行われます。

仲裁統計年報(2009年)によると、相手方が話し合いのテーブルに着いた事件のうち、解決に至った割合は57%、平均の審理数は2.7回、日数にして88.5日でした。

紛争の種類や内容は問いません。建築や医療など専門的知識が必要な争い事でも、各分野の専門家と連携して対応します。「今後の対応策を書面化させたい」など、裁判での請求が難しいケースも受け付けます。

今年3月には、法務省の認証を得ています。時効を中断する効果が生じたり、家庭裁判所で行う調停の代わりに利用できたりと、より便利になりました。

申し立て費用は手数料1万500円のみ(別に成立手数料がかかる)。なお、申し立てには弁護士の紹介状が必要なので、まずは弁護士による法律相談を受けましょう。

▽福岡県弁護士会の紛争解決センター=天神092(741)3208/北九州093(561)0360/久留米0942(30)0144

西日本新聞 5月26日分掲載(植松功)

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