「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2020年9月23日

自宅所有 法テラスは利用できる?

▼Q 新型コロナウイルスの影響で給料が減り、借金の返済が追いつかなくなりました。法テラスを利用して弁護士さんに債務整理を依頼したいのですが、私は親から相続した自宅不動産を所有しています。資産があると法テラスは利用できないと聞いたことがあります。いかがでしょうか。

▼A 法テラス(日本司法支援センター)には経済的に余裕のない方のため、民事法律扶助制度が設けられています。この制度は弁護士費用などを法テラスがいったん立て替え、利用者に後で返還していただくものです。利用が認められるには、収入や資産が法テラスの基準以下である必要があります。このため、希望される方はまずは申し込みをします。申込書には給料や預貯金、不動産などを記入して提出します。

具体的な基準額は、住んでいる場所や家族構成などによって異なります。資産については、例えば4人家族の場合、不動産や預貯金などの資産の合計が原則300万円以下とされています。もっとも不動産については、生活のために必要な住宅の場合は資産に算入しなくてよいことになっています。あなたの不動産はご自宅とのことですので、自宅を除いた資産が基準額以下であれば、法律扶助制度を利用できる可能性があります。

法テラスでは、不動産以外にも柔軟な取り扱いがあります。多くの弁護士は、申込書の作成段階からサポートしています。教えていただいた収入や資産を基に、なるべく利用できるよう申し込みをします。

西日本新聞 9月23日分掲載(鎌田祥太)

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