「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2024年3月20日

「ADR」で強制執行できる?

▼Q 友人に50万円を貸しましたが、返してくれません。裁判をするのも気が引けていたところ、より簡単な「裁判外紛争解決手続き(ADR)」という手続きがあると聞きました。しかし、これまでも返すという約束を何度も破られています。裁判の方がいいのか迷っています。

▼A 裁判以外の紛争解決手続きを「ADR」と呼びます。消費生活センターのあっせん手続き、日本スポーツ仲裁機構の仲裁などがあります。各地の弁護士会のADRセンターもその一つです。

ADRは、話し合いを基本とした手続きです。裁判と比べて簡単、早い、柔軟、円満解決などのメリットがあります。ところが、ADRによる和解では、相手が約束を守らない場合に、給料の差し押さえや不動産の競売などの強制執行ができませんでした。

しかし、4月1日からは、一部のADRで強制執行ができるようになります。具体的には、ADRの結果を基に裁判所に申し立てをして、裁判所が強制執行を行います。

ご相談のケースでは、友人も和解には応じてくれそうです。そして、給料の差し押さえなどをされては困りますから、きちんと約束通り支払ってくれる可能性も高まるのではないでしょうか。

福岡県弁護士会のADRセンターも法務省の認証を受けています。4月1日からの強制執行にも対応しています。オンライン会議による手続きも可能で、紛争解決を柔軟にバックアップします。利用してみたい方は、同会の専用ダイヤル電話=092(791)1840=までお電話ください。

西日本新聞 3月20日分掲載(西依雅広)

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