「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年7月12日

SNSへの写真掲載は慎重に

▼Q 高校1年生です。友達と遊びに行ったときに一緒に撮影した写真をSNS(会員制交流サイト)に載せていたのですが、その友達から「私の写真を使うのはやめてほしい」と言われました。私としては楽しい思い出を記録しておきたいのですが、だめなのでしょうか。

▼A 相手が許可していないのに、その人が写った写真を、不特定多数の人が見ることができるインターネット上に掲載すれば、プライバシー権や肖像権の侵害になる可能性があります。たとえ仲の良い友達との楽しい思い出の写真であったとしても、友達が許可しないなら、掲載は控えた方がいいでしょう。

許可がある場合でも、ネットの利用については注意が必要です。世界中の不特定多数の人が見る可能性があるので、写真が思わぬところで拡散し、場合によっては悪用されてしまう危険があります。写真や書き込み情報から撮影場所が特定され、ストーカー被害などの犯罪に巻き込まれる危険もあります。ネットは便利さの半面、さまざまな危険が潜んでいることを頭に入れておかなければなりません。公開する範囲や、他人に見られても大丈夫な内容かどうか慎重に判断してください。

福岡県弁護士会では、法の意義や機能を学ぶ「法教育」の一環として、学校に弁護士を派遣する「出前授業」に取り組み、ネットトラブルに関する授業も実施しています。詳しくは弁護士会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 7月12日分掲載(鎌田祥太)

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