「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2023年7月19日

弁護士になるにはどうすれば

▼Q 弁護士になりたい高校1年生です。弁護士になるには法科大学院に行く必要があると聞きました。大学とは別の学校に行くのですか。

▼A 弁護士になるには司法試験に合格することが必要です。その司法試験を受験するには二つの方法があります。法科大学院(ロースクール)を卒業するか、予備試験に合格するかです。法科大学院の場合は卒業していなくても、最終学年で司法試験を受験できます。ただし、司法試験合格後に法科大学院を卒業しないと弁護士にはなれません。

法科大学院とは、司法試験の試験科目を中心に、弁護士をはじめとする法曹に必要な知識や能力を2~3年間養う専門職の大学院です。

4年制の大学を卒業すれば、法科大学院を受験できます。4年制の大学を3年で卒業できる「法曹コース」を用意している大学もあります。短大や専門学校の卒業資格で受験できる法科大学院もあります(一定の条件あり)。

予備試験は、学歴や年齢などに関係なく、誰でも受験できる試験です。ただし、予備試験に合格するためには、法科大学院修了者と同じくらいの高度な法律知識が必要です。予備試験自体の合格率が4%前後(2022年の合格率は3・6%)ですから、かなりの難関です。

弁護士に興味があるなら、実際の裁判を傍聴してみませんか。福岡県弁護士会では8月25日、学生との交流会「弁護士に会ってみよう!」を開催します。弁護士が法廷に案内し、傍聴後は弁護士への質問コーナーもあります。くわしくは同会のホームページをご覧ください。

西日本新聞 7月19日分掲載(井上瞳)

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