「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2024年2月7日

国際女性デーって何?

▼Q 3月8日は国際女性デーだと聞きました。どういう日なのですか。

▼A 1904年3月8日、ニューヨークで女性参政権を求めるデモが行われました。それからちょうど71年後の75年3月8日、国連で国際女性デーの制定が提唱され、77年の国連総会で議決されました。

国際女性デーのパレードなどでは、ミモザの花が使われることがあります。イタリアでは男性から母親や妻、同僚などの女性に対し、感謝を込めてミモザの花を贈る習慣があり、これに由来するそうです。

内閣府の調査によれば、働く女性の大半は非正規雇用です。正規雇用も非正規雇用も、女性は男性より平均賃金が年収で100万円以上低く、賃金格差は歴然としています。また、家事育児の大半を女性が行う世帯がほとんどなのが現状です。

世界経済フォーラムは、「経済参画・教育・健康・政治参画」の男女格差を比較したジェンダーギャップ指数を公表しています。日本は、初回2006年の80位から徐々に下降しており、23年は125位と、先進国の中で最低レベル。韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となっています。特に、経済と政治の分野での参画の遅れが目立っています。賃金格差をなくし、多様な政治参画を行っていくことが、女性だけでなく男性にとっても生きやすい社会を作っていくことにつながります。

実は弁護士も、女性は弁護士全体の2割以下です。「女性が家事育児をすべき」「専門職や指導的地位には向いていない」との潜在意識はないでしょうか。国際女性デーを前に、そうした格差や自分の中の潜在意識について考えてみませんか。

西日本新聞 2月7日分掲載(徳永由華)

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