「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2018年11月14日

仮想通貨は登録業者を通して

▼Q 仮想通貨の購入を考えています。聞いたことのない仮想通貨ですが「値上がり必至」だそうで、海外の取引所では上場しているようです。問題ないでしょうか。

▼A 仮想通貨はインターネット上で商品購入や送金に利用できる電子データです。円やドルのように、国が価値を保障している法定通貨ではありません。

仮想通貨を売買する場合、一般的には取引所を通じて行います。この取引所のことを、日本では「仮想通貨交換業者」と呼んでいます。改正資金決済法が施行された2017年4月から金融庁への登録制が採られており、未登録の業者はほぼ違法業者となっています。現在、海外の業者で登録済みのところはありません。

違法業者には金融庁の監督が及びません。違法業者が取り扱う仮想通貨も、取引量が少ないもの、取引の継続性が怪しいものなどが多くなりがちで、購入すると高いリスクが付きまといます。

登録業者以外は使わない。登録業者以外の上場話をまともに請け合わない。それが無難です。
登録業者の一覧表は、金融庁がホームページで公開しています。

なおこの一覧表には、各業者が取り扱う仮想通貨名も掲載されています。信用できる仮想通貨か否かを判断するための、一つの物差しになると思います。

また最近、「仮想通貨の取引を代行します」と持ちかける業者もあるようですが、アカウント情報を全て取られて大金を盗まれたりする恐れがあります。こうした提案には乗らないようにしましょう。

西日本新聞 11月14日分掲載(吉井和明)

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