「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2015年2月18日

調停 電話会議利用も可能

▼Q 私は熊本在住です。福岡に所有している賃貸物件の賃借人が家賃を滞納しています。知人なので民事訴訟でなく民事調停を考えているのですが、民事調停にはどのような特徴がありますか?民事調停を申し立てた場合、私が福岡の裁判所まで行かなければなりませんか?

▼A 民事調停は、裁判官のほかに一般市民から選任された調停委員2人以上が加わった調停委員会が、当事者の言い分を聞いて、法律を基本にしながらも実情に即した解決方法を探る手続きです。訴訟に比べて手続きが簡単。非公開で進めることができるメリットもあります。ご相談のようなケースに適していると思います。

民事調停は原則、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に申し立てすることが必要です。ご相談のケースでは、福岡の裁判所に申し立てすることになるでしょう。民事調停は当事者が調停委員会を通じて話し合いをすることで紛争を解決する制度。裁判所に出向いて調停委員会と直接に話し合うのが一般的ですが、遠方などの理由で毎回出席できない場合は、裁判所の電話会議システムを利用することも可能です。

電話会議システムの利用は、裁判所の設備や通話者の本人確認、通話場所の確認などを考慮して裁判所が可否を判断します。事前に申し立て予定の裁判所に問い合わせて説明を受けてください。

西日本新聞 2月18日分掲載(松下真樹子)

目次