「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2019年10月2日

レジ袋、有料化なぜ?

▼Q レジ袋が有料のスーパーが増えているのは、なぜですか。

▼A 確かに最近はスーパーでレジ袋をお願いすると、3~5円が加算されることが増えてきました。マイバッグを持参すると2円ほど値引きする店もありますね。

政府は来年までに、レジ袋の無料配布を禁止する法律をつくる準備をしています。国内で使われているプラスチック製レジ袋は年間数十万トンを超えるとされ、その多くがリサイクルされず使い捨てされている現実があるためです。

プラスチックは使い捨てされると、資源の無駄遣いになります。加えて簡単には分解されないため、海中の膨大なプラスチックごみは1~600年の間、漂い続けると指摘されています。レジ袋や食品容器などのプラスチックごみは世界の海中に1億5千万トンあるとの報告もあります。

5ミリ以下に砕かれたプラスチックごみは「マイクロプラスチック」と呼ばれ、魚やプランクトンの生態に悪影響を及ぼし、ひいては私たち人類にも影響するといわれています。だから近年、世界的に問題となっているのです。

海外では既に多くの国で有料化や使用禁止になっています。日本でも循環型社会形成推進基本法に基づき対策が始まっています。こうした動きに呼応し、法制化に先行して自主的に有料化したり、マイバッグ特典を設けたりするスーパーが出てきたのでしょう。

マイバッグで買い物をするだけで、わずかかもしれませんが間違いなく環境保全に役立ちます。この機会に使ってみませんか。

西日本新聞 10月2日分掲載(緒方剛)

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