「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2024年2月14日

法定相続分、日韓の違い

▼Q 先日夫が急死しました。私は日本人ですが、夫は日本で生まれ育った在日韓国人3世です。子どもが1人いて、遺言書はありません。相続について、どこの国の法律が適用されるのでしょうか。

▼A まず、相続関係の確認資料として、日本の戸籍だけでなく、夫の韓国の家族関係証明書が必要になります。夫の死亡届で代用できることもありますが、不動産の相続登記手続きなどでは、韓国の家族関係証明書がないと申請が受理されません。

ところが、韓国外で生活している方の場合、家族を記載していないこともあります。この場合、韓国総領事館に訂正の申し立てをすることで、記載を改めることができます。

相続人や相続分については、日本法ではなく韓国法が適用されます。韓国法での相続人はあなたと子で、日本法と同じです。

しかし、韓国法での相続分の比率は、日本法と異なります。日本法では、あなたの相続分は2分の1、子ども全員で2分の1です。しかし、韓国法では、あなたの相続分は子1人が受取る相続分の5割増しという計算方法になります。ご相談のケースでは、あなた1・5、子1の割合となります。

仮に子が2人の場合は、あなた1・5、子1、子1の割合となり、あなたの相続分は減ります(子が多ければさらに減っていきます)。日本法では子の数が多くても配偶者の相続分は一定ですので、この点は大きく違います。

日本法は配偶者の保護を重視、韓国法は全相続人の生活保障を重視、と言えるのではないでしょうか。

西日本新聞 2月14日分掲載(柳教日)

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