「ほう!な話」

2015年3月18日

過労死 遺族をサポート

▼Q 娘の夫が過労が原因で自殺しました。激務で毎日帰宅も遅く、夜もよく眠れず、ふさぎ込むことが多かったようです。娘はショックを受けています。幼い子どもをかかえて無理して働いています。憔悴(しょうすい)しきった娘のことが心配です。

▼A 経済的な面では、労災保険法に基づき遺族補償年金、葬祭料などの労災申請を行うことが考えられます。支給が認められるためには業務が過重であったことでうつ病などの精神障害を発症し、自殺した因果関係(業務起因性)が認められることが必要です。娘婿さんが自殺前に医師の診断を受けていなかった場合でも、勤務状況など客観的事実関係に基づき、精神障害を発症していたと認められることもあります。

労災申請が認められても、全ての損害が填補(てんぽ)されるわけではありません。使用者は労働者が健康を害さないような労働時間など、労働条件や労働環境を整備する安全配慮義務を負っています。労災認定でカバーされない分は、勤めていた会社に対して損害賠償請求を行うことも考えられます。

次に娘さんの心の問題です。自死遺族は、自殺を止められなかった自責の念や経済的負担で追い詰められます。身近な人のサポートが何より重要。娘さんにしっかり寄り添ってあげてください。福岡県弁護士会では自死遺族の方や自死の危険がある方の支援者(家族、親族、医療関係者など)の方を対象とした無料相談を行っています。

西日本新聞 3月18日分掲載(吉野雄介)

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