「ほう!な話」

2012年12月8日

生活保護支給基準の見直しに注目

▼Q 「派遣切り」に遭い、次の仕事もなかなか見つかりません。生活保護を申請しようと思うのですが、生活保護費が減らされるという報道が気になります。

▼A 生活保護費を支給する基準は年齢や家族構成によって決められます。さまざまな事情で世帯収入が「最低生活費」に満たないと不足分を受給できます。

この支給基準を厳しくする方向で議論が始まっています。8月には、政府が生活保護費全体を減額する方向で見直す方針を決めました。厚生労働省も来年度の予算編成にあたり、生活保護の支給基準の検証・見直しをすると発表しています。

生活保護の支給基準は、その他の分野の基準とも連動しています。例えば子どもの就学援助は、生活保護支給基準の1.3倍以下の収入しかない世帯で受けられます。最低賃金の額を決定する基準▽住民税などの地方税が非課税となる基準▽介護保険料や利用料の減額や免除の基準-などとも連動しているのです。

つまり、生活保護の支給基準が厳しくなれば、ひとり親家庭や非正規労働者など、さまざまな制度による援助を受けている人たちへの影響も避けられなくなってきます。

福岡県弁護士会を含む全国の弁護士会は、11月28日に「生活保護ホットライン」を実施しました。そこには予想を大きく上回る相談が寄せられ、貧困問題の深刻化が懸念されています。そんな中、生活保護の受給者だけでなく、多くの人の生活に影響を与える支給基準の見直し論議-。改悪にならないよう見守っていく必要があります。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 12月8日分掲載(高木士郎)

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