「ほう!な話」

2016年9月14日

親の介護、相続トラブルに注意

▼Q 独り暮らしをしている母が認知症になり、介護を始めることになりました(母の判断能力に著しい低下はなく、成年後見相当とは言われていません)。私には弟がいますが遠方に住んでいるため、今はほとんど交流がなく、協力も期待できません。私は母の預金から医療費、介護費や生活費を支払おうと思っているのですが、注意すべきことはありますか。

▼A お母さまが亡くなった後、相続の場面で問題になる可能性があります。遺言がない場合、遺産の帰属は相続人であるあなたと弟さんの遺産分割手続きによって決まります。この際、預金から介護費などを支出したことを捉えて弟さんから「これだけしか預金が残っていないのはおかしい」「勝手に使い込んだのではないか」と疑われるケースが少なくありません。

こうしたトラブルを未然に防ぐには、介護を開始するときから、医療費、介護費などは逐一、領収証を受け取り保管しておくことが重要です。紙おむつ代や下着代、交通費など、介護に必要な支出については広く領収証を取っておくことをお勧めします。1冊「介護家計簿」を準備して領収証を集約し、お母さまに渡した小遣いも含めて記録しておくのが効果的です。

また、普段から病状や生活の様子を弟さんに定期的に連絡しておくことで、相続の場面での感情的な対立を防げる場合があります。「介護と相続」の問題を避けるためには、生前からできる限りの備えをしておくことが肝要です。

西日本新聞 9月14日分掲載(田中祥太郎)

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