「ほう!な話」

2010年12月24日

裁判員制度改善へ市民の声

刑事裁判に市民感覚を取り入れるために導入された裁判員制度。昨年5月のスタートから3年後に検証される予定ですが、この約1年半の間にさまざまな問題点が見えてきました。

例えば、公判前には法曹三者(弁護人、検察官、裁判官)が事件に関する争点や証拠を整理し、審理の予定を話し合う手続きが行われます。この点で実際に担当した弁護人からは「裁判員の負担が過度に重視され、争点や証拠を限定しすぎたり、証拠調べの時間を削りすぎたりして、かえって市民に分かりにくく、誤判を招くのではないか」「審理計画に縛られすぎて、状況に応じた柔軟な対応ができにくくなっているのではないか」などの懸念が聞かれます。

また、福岡県弁護士会は市民の目線で問題点などを探る「市民モニター制度」に取り組みました。実際に裁判を傍聴してもらったところ「専門用語が難しい」「情報が少なすぎる」「証拠書類を長々と読み上げるだけでは分かりにくい」といった多様な意見が寄せられました。

私たち弁護士も今後よりいっそう、専門用語を分かりやすい言葉で説明したり、理解を助ける資料を作成したりするなど改善に努めたいと考えています。市民参加によって、刑事訴訟のルールに忠実で誤りのない公正な裁判を実現する-。そうした視点から、さらなる検討を加えていく必要があると言えるでしょう。

◆天神弁護士センター=092(741)3208。

(要予約・30分5,250円)

西日本新聞 12月24日分掲載(竹永光太郎)

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