「ほう!な話」

2015年9月16日

匿名報道 被害者に配慮

▼Q 新聞やテレビの報道では被害者の実名が出ているものと匿名のものがあります。どうしてでしょうか?

▼A 被害者の実名報道を規制する法律はありません。マスコミの報道は憲法上保障される表現の自由に基づき、一般国民の知る権利にも役立つものです。一方、被害者の実名報道には被害者のプライバシーや名誉、被害者感情の尊重などとの対立があります。そうした問題意識からマスコミは自主規制基準を設け、社会に伝える必要性や報道による二次被害の恐れなどを考慮しながら実名か匿名かを個別に判断しています。

例えば、性犯罪被害や偽電話詐欺被害の場合には実名を伝える必要性に比べ、被害者に与える不利益や迷惑の方が大きいため匿名の場合が多いです。弁護士が犯罪被害者やその遺族の代理人としてマスコミに匿名報道を要請することもあります。このような理由から実名だったり匿名だったりするのです。

刑事訴訟法では性犯罪事件などでは公開の法廷で被害者を特定しないことができると定めています。具体的には、検察官が起訴状を朗読する際、被害者の実名を「被害者」や「Aさん」などと呼び、公開の法廷で被害者の実名や住所を明らかにしない措置が取られます。

福岡県弁護士会では、毎週火曜と金曜の午後4~7時に犯罪被害者を対象にした無料電話相談を行っています。
福岡県弁護士会の犯罪被害者支援センター=092(738)8363。

西日本新聞 9月16日分掲載(西山 純理)

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