「ほう!な話」

2013年5月22日

示談が起訴や量刑に影響

▼Q 犯罪の被害に遭いました。加害者は逮捕され、その弁護人から「示談をしたい」との申し出がありました。注意すべき点はありますか。

▼A 示談とは、損害賠償のような問題を裁判手続きによらず、当事者間だけで解決する契約のことです。成立すると、一般的には加害者の刑事処分が軽くなる傾向があります。

特に示談書に「宥恕(ゆうじょ)」(許すという意味)の文言が盛り込まれると、被害者がそれほど厳しい処罰感情を持っていないと検察官や裁判官は評価します。

従って、加害者に厳しい刑事処分を望むなら、それが決まるまで示談をしない方がよいともいえます。半面、刑事処分が決まると、加害者にとっては示談で刑を軽くする意味がなくなり、賠償金の支払いに消極的になるリスクもあります。加害者に資力がない場合、刑事処分前に示談に応じて確実に賠償金を受けるのも一つの策です。また、示談成立後は、示談金の額以上に損害が発生しても、追加で請求できないのが一般的です。

示談金、特に慰謝料に明確な基準はありません。被害の内容や加害者の資力など総合的に考慮して検討していくことになります。刑事裁判手続きの専門知識とも絡み、かなり難しい問題です。お気軽に弁護士にご相談ください。

◆福岡県弁護士会の犯罪被害者無料電話相談 毎週火曜日午後4時~7時、犯罪被害者支援センター=092(738)8363。

西日本新聞 5月22日分掲載(疋田陽太郎)

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