「ほう!な話」

2012年11月17日

内縁関係でも生じる権利義務

▼Q ある男性(パートナー)と夫婦同然の同居生活を送っていますが、婚姻届は出していません。出している場合と違いがありますか。

▼A 婚姻届を出した夫婦と同じ程度の生活実態がある場合を「内縁」関係といい、権利義務関係も同様に生じます。内縁を解消する場合には財産分与や慰謝料の請求もでき、労災や年金、健康保険など各種公的給付の受給権も認められます。

一方、法的保護が弱い部分があることも事実です。例えば2人の間に生まれた子は「非嫡出子」となり、父子関係が認められるには認知手続きが必要です。相手が亡くなっても配偶者としての法定相続権は発生しません(遺言による贈与は可能)。ほかにも税法上の配偶者控除の対象にならないなどの違いがあります。

ところで、内縁関係は単に男女が同居生活をしているだけでは認められません。(1)夫婦同様の生活関係を成立させる合意がある(2)夫婦同様の共同生活が存在する-ことが必要です。判例からすると、同居期間の長さも一つの要素となるようです。

もっとも、同居期間が短くても、女性が妊娠し、周囲も「妻(夫)」と認識し、知人に仲人を頼んでいたなどの事情から内縁関係と認めたケースもあり、結局は総合的に判断することになります。内縁に至らない生活は「同棲(どうせい)」関係です。内縁と異なり、関係解消の際の損害賠償などは原則認められないなど、法的保護は弱くなります。

◆20日午前10時~午後5時に無料電話相談「女性の暴力ゼロ!ホットライン」(福岡県弁護士会北九州部会共催)を実施します。女性弁護士も電話口でお待ちしています。電話番号=093(583)3331、093(583)3663。

西日本新聞 11月17日分掲載(石田美祢)

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