「ほう!な話」

2010年9月3日

賃貸住宅の更新料は有効か

賃貸住宅の契約更新の際、家主に「更新料」を支払っている人が多いのでは。今、この更新料の有効性が裁判で争われ、大きな注目を浴びています。

そもそも更新料について定めた法律はありません。「慣習」のようなもの。つまり、賃貸借契約を交わす最初のときに合意をしていなければ、支払う義務はありません。問題は合意してしまった場合。必ず支払わなければならないのか。借り主と家主が争い、裁判になりました。

2009年8月、大阪高裁は合意を「無効」と判断しました(判決[1])。高裁レベルでは初の判決で、家主や不動産業界に衝撃が走りました。同じ年の10月に大阪高裁で下された判決では「有効」と判断されました(判決[2])。更新料の有効性をめぐって判断が分かれた、と大きく報道されたのです。

ただし、[1]の裁判でも一律に無効と判断したわけではありません。[2]の裁判のケースは毎月の賃料が5万2千円で、2年ごとに10万4千円を払っていたのに対し、[1]のケースは月4万5千円で、1年ごとに10万円といった具合に、更新料の負担の大きさが異なったことが判断を分けた理由かもしれません。

そもそも「更新料」なるものを、どうして支払わなければならないのか、その趣旨がはっきりしていないことに問題の要因があります。今後、同様の裁判は各地で増えていきそうです。[1]、[2]とも最高裁で係争中。判断が注目されます。

◆天神弁護士センター=092(741)3208。

西日本新聞 9月3日分掲載(舞弓紫)

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