「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2010年12月17日

交通事故 無料相談どうぞ

交通事故の被害に遭った人から「慰謝料は1日4200円ですよね?」「休業損害は1日5700円ですよね?」と真剣な面持ちで相談されることがあります。加害者が加入している保険会社との示談交渉の中で、担当者から示された金額のようです。

しかし、この「慰謝料1日4200円」「休業損害1日5700円」という基準は、自賠責保険から支払われる保険金の基準で、交通事故による本来の損害を算定する基準(いわゆる「裁判所基準」「弁護士基準」)とは異なります。

「主婦には休業損害が出ないって本当ですか」と尋ねられることも少なくありません。主婦が事故によるけがで家事労働に従事できなかった場合、休業損害は通常、女子労働者の平均賃金を基準にして算定します。2008年における女子労働者の全年齢の平均給与は約350万円なので、これを基準にすると1日当たり9500円以上になります。

さらに、交通事故の被害に遭った人は、いつまで治療を受けられるのか、休業損害はいつまで支払ってもらえるかなど、保険会社の担当者への対応を余儀なくされ、そのこと自体に相当なストレスを感じるケースもよく耳にします。

そこで福岡県弁護士会は、交通事故サポートセンターを開設し、無料電話相談=092(741)2270=に取り組んでいます。示談はもちろん、交通事故に関する悩みがあれば、気軽にご相談ください。

◆天神弁護士センター=092(741)3208。

西日本新聞 12月17日分掲載(田中亮一)

目次