「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2023年11月15日

相続登記 来年4月から義務化

▼Q 高齢の母がおります。来年、相続登記が義務化されると聞きました。何が変わるのですか。

▼A 2024年4月1日から相続登記が義務化されます。登記簿を見ても所有者が分からない「所有者不明土地」が全国的に増加したためです。この義務を放置していると、10万円以下の過料が科されることがあります。

登記の期限は、原則として被相続人の死亡から3年です。被相続人が24年3月31日以前に死亡している場合は、27年3月31日が期限となります。この3年の期限にはいくつかの例外があります。

(1)遺言がある場合は、遺言で不動産を相続したことを知った日から3年です。死亡後しばらくして遺言が出てきた場合は、ここから3年になります。

(2)遺産分割協議に時間がかかって誰が相続するか決まっていなくても、被相続人の死亡から3年が登記の期限ですが、3年以内に「相続人申告登記」をしておくことで、期限を遺産分割の日から3年以降に延ばすことができます。具体的には、自分が相続人であることを3年以内に法務局に届ければよいです。その後、遺産分割協議が成立したら、正式な登記をします。

(3)正当な理由がある場合は、期限を過ぎても過料は科されません。例えば、相続人が多すぎて戸籍謄本などの必要な資料が集められない場合などが考えられています。

以上は、現時点で想定されるケースです。運用開始後は、これ以外の悩ましいケースも発生しそうです。新しい問題なので、困ったときは弁護士に相談してください。

西日本新聞 11月15日分掲載(田中祥太郎)

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