「ほう!な話」

2010年6月11日

子どもへの体罰は人権侵害

少年事件を担当する中で、学校での体罰が遠因となっているケースに出くわすことがあります。

体罰によって教師に対する信頼を失い、暴力で物事を解決することを容認する考え方を芽生えさせる。そうして子どもの人間関係づくりにも悪影響が生じ、事件へ-。

学校教育法11条は、ただし書きで体罰を禁じています。児童・生徒の基本的人権が尊重されなければならず、体罰が人権侵害行為であることは自明です。ところが、文部科学省が発表する体罰による教職員の懲戒処分は微増傾向にあります。

福岡市教育委員会によると、体罰の6割が教師の思い込み、焦りや感情的なものから起こっています。背景には、教師の多忙化や格差社会の影響による貧困家庭層の増大などがあり、学校を取り巻く環境の厳しさが、教育から余裕を奪っているのかもしれません。

一方で、日本の国内総生産に占める教育費の割合は、経済協力開発機構(OECD)加盟国で最低水準。

これでは教育環境の改善、ひいては体罰のない学校現場の実現が遠のいてしまいます。

実際に体罰を受けた場合、法的には、損害賠償請求をする方法があります。刑事告訴や人権救済申立制度を利用して解決を図ることもあります。

「子どもの人権110番」=092(752)1331=でも相談に応じています。

26日には、福岡市の博多市民センターで午後1時から、シンポジウム「体罰について考える」(無料)を開催します。

どうすれば子どもが安心して学べる学校を実現できるか。みなさんも一緒に考えてみませんか。

西日本新聞 6月11日分掲載(迫田学)

※このイベントは終了しました

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