「ほう!な話」

2015年8月26日

墓と仏壇は相続財産とは別

▼Q 私の父は小さな町工場を経営していました。先日父が亡くなり、東京で勤めをしていた兄が地元に戻り、町工場を継ぐことになりました。そのことは私も母も了解していたのですが、兄は「自分が家業を継いだのだから、墓も受け継ぎ、法事も自分がやる。地元で家を新築し仏壇も自分の家に移す」と言いだしました。母は今の家から仏壇を移すことに反対で、お墓の管理も父から託されていたと思っていました。兄の言い分は通るのでしょうか。

▼A 墓所や仏壇など、先祖供養に関するものは不動産や預金などの相続財産とは別扱い。「慣習に従って祖先の祭祀(さいし)を主宰すべき者」や「被相続人が指定した祭祀の主宰者」が継承し所有権を取得すると民法で定められています。兄の東京での生活が長く、父が亡くなった際の葬儀や法事への貢献もなかったのなら、兄の言い分がそのまま通ることはないでしょう。

父が生前、祭祀を行う者として母を指定していれば「祭祀を主宰する者」に当たり、仏壇やお墓の所有権を取得することになります。父が「祭祀を主宰する者」と指定していない場合は家庭裁判所がお墓や仏壇の所有権を取得すべき者がだれかを決めることになります。

家族経営も多い中小企業では相続の問題は避けては通れません。福岡県弁護士会は9月9日午後3~5時、福岡市・天神の天神ビルで中小企業向け無料法律相談会を開催します。福岡県弁護士会=092(741)6416。

西日本新聞 8月26日分掲載(中原幸治)

※このイベントは終了しました

目次