「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2012年8月2日

生活保護就労者も受給可能

▼Q 福岡市の家賃3万5千円のアパートで1人暮らしの55歳です。収入は月8万円しかなく、もう限界。働いていても生活保護を受けられますか。

▼A 世帯全員の収入がその世帯の「最低生活費」を下回っていれば、原則として生活保護を受給できます。

生活保護は世帯ごとの最低生活を保障する制度です。最低生活費とは、その世帯が暮らす地域や世帯構成人数、年齢などによって計算されます。仕事をしていても収入が最低生活費を下回っていれば受給できます。

質問の場合、最低生活費は11万2940円となります。収入が8万円なので、受給額は5万3670円。なお、世帯構成員が一定の資産(現金、預貯金など)を持っていれば、先にそれを活用するよう求められる場合もあります。生活保護を受けられるか知りたい人は近くの役所を訪ね、保護課で相談を。

福岡県弁護士会には「生活保護の当番弁護士」制度があります。福祉事務所など役所とのトラブルに関する相談、場合によっては申請手続きに同行することも含めて、無料で対応する仕組みです。気軽にお電話ください。

▽福岡県弁護士会の「生活保護の当番弁護士」窓口福岡地区=092(741)3208/北九州地区=093(561)0360/筑豊地区=0948(28)7555/筑後地区=0942(30)0144

西日本新聞 8月2日分掲載(城戸美保子)

目次