「ほう!な話」

2014年4月5日

「ほう!な話」スペシャル版 子どもを守る法知識

子どもが犯罪に巻き込まれたり、家庭で法律問題に直面したりするケースが増えています。親や周囲の大人が子どもたちを守るための法律の基礎知識や対処法について、水曜生活面で「『ほう!』な話」を担当している福岡県弁護士会に所属する4人に解説してもらいました。

●親権 成長に適切な環境を

【Q】主婦です。離婚を考えていますが、夫に「経済力がないから親権はやれない」と・・・。

【A】確かに一定の経済力は必要ですが、それだけで判断されるわけではありません。養育費で穴埋めできるからです。

それよりも、どちらと一緒に生活する方がお子さんの成長にとって適切かが重視されます。具体的には、子どもの面倒を見てきた監護実績、離婚後の子育て支援環境、判断できる年齢ならその子の意思、面会交流への協力などです。

とはいえ、養育費だけでは不十分。離婚後はあなた自身の生活費を夫からもらうことは通常できません。経済的自立も大切なので、今のうちから就職する準備をしておきましょう。ひとり親の支援制度もあるので、役所へも問い合わせてみてください。

(徳永由華)

●自転車事故 指導不足で親が賠償

【Q】10歳の子が歩道で自転車事故を起こし、歩行者にけがをさせてしまいました。賠償責任は?

【A】相手に重い障害が残った場合、多額の損害賠償を負うことがあります。最近でも約9500万円の損害を認めた判決が出ました。11歳の子に十分な指導や注意をしていなかったとして、親が賠償義務を負うと判断されました。

自転車は原則、歩道を通行できません。道路標識で指定されている歩道や運転者が13歳未満など一定の場合は通行できますが、その際も歩行者優先で車道寄りを徐行しなければなりません。そうした交通ルールについて、日頃から親子で話し合うことが大切です。

なお、自動車保険などの特約である個人賠償責任保険が使えることがあるので、契約内容を確認してみましょう。

(西井秀和)

●少年事件 事情よく聞き「伴走」

【Q】わが子が他人の自転車に乗っていたとして逮捕されてしまいました。どうしたら・・・。

【A】逮捕から72時間以内に家に帰れるかが決まります。この間は面会ができません。身柄拘束が続くとなれば面会に行き、よく事情を聞いて励ましてください。

その後、10日(場合によって20日)以内に事件が家庭裁判所に送られ、家に帰れるか、少年鑑別所で心身鑑別をするかが判断されます。それからおおむね4週間以内に家庭裁判所で少年審判が開かれ、なぜ非行を起こしたか、同じ過ちを繰り返さない環境を整えられるかなどが問題になります。

少年事件における弁護士は、家裁送致前は弁護人、送致後は付添人として、審判に同席して意見を述べるなど親子の「伴走者」を務めます。

(迫田学)

●ネット 購入契約でトラブル

【Q】高校生の子がオンラインゲームに熱中し、親のクレジットカードで高額アイテムを勝手に購入してしまって・・・。

【A】まずはゲーム会社に連絡し、未成年であることを理由に購入契約を取り消します。親の同意や年齢を「確認済み」として応じない可能性もありますが、確認が不十分な場合もあるので、ゲームサイトの運営会社にも事情を説明して粘り強く交渉しましょう。

こうしたトラブルを防ぐには、日頃から子どもの趣味や遊びにも関心を持ち、親子でルールを決めておくことが大切。利用を制限するフィルタリング機能も活用しましょう。カードを手の届かない所に管理しておくことも必要です。

解決できない場合は最寄りの消費生活センターや弁護士に相談してください。

(松本圭司)

【解説した弁護士】

▼徳永由華さん

▼西井秀和さん

▼迫田 学さん

▼松本圭司さん

●子どもの人権110番 毎週土曜に実施

福岡県弁護士会は、毎週土曜日午後0時半~3時半に「子どもの人権110番」=092(752)1331=を実施しています。子どもにまつわるさまざまな悩みを電話でご相談ください。

西日本新聞 4月5日分掲載

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