「ほう!な話」

2012年5月31日

弁護士出身者が裁判官に

裁判官の中に、元は弁護士だった人がいます。最高裁判所の裁判官に弁護士出身者がいることはよく知られていますが、実は高裁や地裁にも弁護士から任官するケースがあります。

九州では福岡高裁1人、福岡地裁の本庁2人と久留米支部1人、佐賀地裁武雄支部1人、熊本地裁2人の計7人の弁護士出身者が裁判官として活動しています。この「弁護士任官制度」が確立したのは、10年前の司法制度改革のときです。

裁判官には法的知識が必要なのはもちろん、社会で起きた紛争を解決するのが仕事なので、さまざまな社会経験や当事者の心情に共感する感性も備えていることが望ましいと言えます。そうであれば、社会の実相に関する豊富な知識・経験をもつ弁護士が裁判官になるのは、とてもいいことだと考えられます。どんな組織も似たような人ばかりでは足腰が弱まる、という側面にも対応できます。

課題としては、弁護士任官者数が年間5人前後でまだまだ少ないこと。裁判官になれば全国各地をほぼ3年ごとに転勤しなくてはならず、事件や顧客の引き継ぎ、事務所を閉鎖すれば職員が職を失う問題も解決しなくてはなりません。

こうした課題を乗り越えた上で、依頼者の声を直接聞いてきた弁護士が、その経験を生かして裁判所に新しい風を吹き込む-そんな期待に応えていきたいものです。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 5月31日分掲載(作間功)

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