「ほう!な話」

2015年10月28日

立憲主義で国家権力に縛り

安全保障関連法の成立の際、ニュースで「立憲主義」という言葉をよく聞きました。
立憲主義とはどういうものですか?

歴史上、国家権力を担う権力者が国民の権利を侵害することがありました。専制君主に限らず、民主的な選挙で多数派を形成した政権でもです。国家権力が暴走しないよう憲法によって国家権力に歯止めをかけ、権力は憲法の枠内でしか行使できないとする政治の基本原理が立憲主義です。

多数決による多数派の意思決定でも、憲法上の人権(特に少数派の)を侵害してはならないというのが大事な点です。国家権力を制限するというのが憲法の重要な役割ですから、この点で憲法は、国民に義務を課す他の法律とは、決定的に異なるわけです。

戦前の大日本帝国憲法が策定される際、枢密院議長だった伊藤博文と文部大臣の森有礼で論争がありました。伊藤は「人民の権利を保護しないで君主の権限を制限しなければ、人民には無限の責任があり、君主には無限の権力がある。人民はいかなる義務があり、いかなる権利を有すると明記しなければそれは憲法でなくなってしまう」と主張したのです。まさに立憲主義を強調したのですね。

弁護士会では、小中学生を対象にした出前の憲法授業を行っています。弁護士と一緒に憲法について学びませんか。
お問い合わせは福岡県弁護士会=092(741)6416)=まで。

西日本新聞 10月28日分掲載(福留英資)

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