「ほう!な話」

2011年12月8日

少年の裁判 慎重な判断を

成人が犯罪を起こせば、刑事裁判によって刑事処分(死刑、懲役刑、罰金刑など)が下されます。一方、少年(20歳未満)の非行では、家庭裁判所における少年審判の手続きで保護処分(少年院送致、保護観察、試験観察など)が決められます。

少年は、未成熟で社会的経験に乏しく、人格も発達途上にある。健全な育成を図るにはどんな処分が最もふさわしいのか。処罰より教育によって改善・更生が見込めるのであれば、そちらの道を選ぼう-。こうした少年法の基本理念に基づき、処分の仕組みが定められています。

例外として(1)16歳以上の少年が故意に他人に危害を加えようとして死亡させた(2)家庭裁判所で刑事処分を受けさせるのが相当と判断された-などの場合、裁判所から検察庁に送致(通常と逆の流れなので「逆送」)され、大人と同じように刑事裁判で裁かれることもあります。

重大事件については、裁判員裁判の対象になる場合もあります。もっとも、いったん刑事裁判の手続きに乗ったとしても、審理の結果、やはり保護処分が相当となれば家庭裁判所に戻さなければなりません。可塑性に富む少年だからこそ、周囲の理解や協力によって要保護性も変化していく特殊性があります。

処罰か、教育か-。裁判員にも大人による犯罪の場合とは異なった観点からの慎重な判断が求められます。

◆天神弁護士センター=092(741)3208(要予約・30分5250円)

西日本新聞 12月8日分掲載(迫田学)

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