「ほう!な話」

2011年9月29日

医療ADRで紛争解決を

人の命や体を扱う医療現場では、時に予期せぬ事故が起こり紛争になることがあります。医療知識に乏しい患者が自ら医療機関と交渉するのは大変で、訴訟となれば時間や費用も心配です。医療機関側も適切な話し合いの場を見つけられず、こじれて長期化することもあります。

そこで弁護士会による「医療ADR」制度の活用をお勧めします。「Alternative Dispute Resolution」の略で、裁判ではなく話し合いで解決する手続きです。九州では2009年10月、福岡県に新設されました。

原則として、患者側と医療機関側それぞれの立場で医療紛争を数多く経験している弁護士ら3人が「仲裁人」になります。中立の立場なので問題点を早く発見でき、公平、迅速、適切な解決が図られ、双方にメリットがあります。実際に和解した例には、手術による血管の損傷、急性虫垂炎の見逃し、美容整形や歯科矯正の失敗があります。

和解成立までの期間は、おおむね半年以内。裁判による平均審理期間約24.4カ月に比べ、大幅に短縮されます。申し立てに必要な費用は手数料1万500円のみ(別に成立手数料が発生)。この制度を利用するには弁護士の紹介状が必要なので、まずは弁護士による法律相談を受けてください。

◆福岡県弁護士会の医療ADRに関する相談先=天神092(741)3208/北九州093(561)0360/久留米0942(30)0144

西日本新聞 9月29日分掲載(今里晋也)

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