「ほう!な話」

2012年8月23日

災害時の損害 賠償義務発生も

▼Q 台風で自宅の屋根瓦が飛ばされ、近所の車を傷つけてしまいました。賠償する義務はあるのでしょうか。

▼A まずは屋根瓦の設置、保存の状況を見てみましょう。「通常要求される安全性」を備えていなかった場合、例えば「災害発生時点で既に老朽化のため屋根瓦ががたついていた」といった事情があれば、賠償の義務があります。

一方、こうした安全性を備えていた場合は、不可抗力に基づくものとして賠償義務はありません。ただし、台風や大雨は事前にその危険性をある程度予測でき、対策が比較的とりやすいといえるので、地震の場合と比べて賠償義務は認められやすくなります。

また、被害を受けた側に何かしらの落ち度があると、賠償額が減額されることもあります。台風や大雨だと「車を危険な場所から避難させる」といった対策が比較的とりやすいといえます。自宅の排水溝のふたが大雨で外れ、通行人がつまずいた場合でも「外出しない」という対策が考えられます。このような減額についても、地震より認められやすくなります。

災害から身を守るには事前の備えが大切です。これは、法律的な損害賠償の場面でも同様です。ただし「通常要求される安全性」が何を指すのかなどについては対象物の種類によっても異なります。専門的な判断になるので、最寄りの弁護士にご相談ください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 8月23日分掲載(花田茂治)

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