「ほう!な話」

2015年10月14日

民意反映させる強制起訴

▼Q 東京電力福島第1原発事故で今夏、東電旧経営陣3人が検察審査会(検審)から強制起訴され、刑事裁判で裁かれることになりました。強制起訴はどんな制度ですか。

▼A 強制起訴は、検察が不起訴とした事件の被害者や告発者らの申し立てに基づき、検察の判断が妥当かどうか、選挙人名簿からくじで選出された市民11人が審査します。8人以上の多数決で「起訴が相当」と議決した後、検察が再捜査してやはり起訴しなかった場合、検審が再び「起訴すべきだ」と議決すれば強制的に起訴されます。

2009年の導入以降、8件強制起訴されましたが、2件の有罪を除いて無罪か免訴が続き、賛否が分かれています。賛成は検察が独占していた公訴権の判断に民意を反映させる理念を尊重し、積極的に強制起訴してよいという考え方。反対は検審も「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則に忠実であるべきで、立証に疑問がある事件は不起訴にしなければならないという意見です。

「原発事故は一度起きれば、取り返しがつかない」。今回強制起訴した東京第5検審は原発事故の「特殊性」をこう指摘。原発事業の責任者には万が一の事態を想定する「高度な注意義務」があったと判断しました。あなたも検審審査員に選ばれどちらの考え方に立つのか判断を迫られるときがくるかもしれません。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 10月14日分掲載(山内良輝)

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