「ほう!な話」

2012年6月14日

「強制起訴」に問題提起も

▼Q 裁判を取り上げたニュースで、最近よく「強制起訴」という言葉を耳にします。どんな仕組みなのですか。

▼A 従来、検察官は万が一にも無実の人を処罰してはならないという考えから「有罪の確信が持てる事件でなければ起訴しない」という慎重な運用を行ってきました。

その中で2009年に制度が新設され、検察官が確信が持てずに不起訴とした事件に対し、市民から選ばれた検察審査会が「起訴すべきだ」と二度にわたり判断した場合、強制起訴できるようになりました。これまでに「事実関係に不明な点が多いので、公開裁判の場で真実の解明を求める」などの理由で6件が強制起訴されています。

このうち2件で判決が出ており、いずれも無罪でした。ところが、いったん起訴されると悪いイメージが定着し、レッテルを払拭(ふっしょく)するのは容易ではありません。

というのも、刑事訴訟における有罪率が99%と非常に高いことから、一般的に「起訴イコール有罪」という受け止め方が根強いからです。強制起訴の制度には、そうした被告人の負担が考慮されておらず、検察官による起訴と比較して不公平なのではないか-という問題提起も出てきています。

もちろん、公開の場で真実の解明が期待できる利点もあります。どう見直していけばいいのか、みなさんも一緒に考えてみませんか。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 6月14日分掲載(田上晋一)

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