「ほう!な話」

2010年8月13日

遺言書でトラブル回避を

子どもがいない、離婚・再婚をして関係が複雑、持ち家くらいしか遺産がない・・・。一般的に遺産相続でトラブルが起こりやすいケースです。遺言書がなければ法定の割合で相続人が分割しますが、配分の仕方によってはわだかまりが残ります。その点、遺言書を作成しておけば分け方を指定でき、内縁関係など相続人以外にも残せます。

遺言書は15歳以上であれば作れます。ただ、物事をわきまえる能力が必要なので、最近は認知症の人が作った遺言書が有効か、争われる場合もあります。遺言書は法律が定めた方式に従い作成します。多いのは自筆証書遺言と公正証書遺言です。

自筆証書遺書は、本人が自分で遺言の全文、日付、氏名を書き、印を押します。パソコンや代筆は無効。印鑑は三文判で構いません。簡単で費用もかかりませんが、方式を満たさないと無効になったり、自筆かどうかの争いが生じたりもします。さらに家庭裁判所で「検認」の手続きを受ける必要があります。公正証書遺言は費用がかかる半面、法律の専門家である公証人が作成するので無効になる危険性はなく、検認も不要です。

なお、相続人には「遺留分」という権利があります(兄弟姉妹は除く)。遺言書の作成にあたっては、誰かの遺留分を侵害しないか、すなわち最低限の取り分が確保されるかまで配慮する必要があります。迷ったら弁護士にご相談を。

▽福岡県弁護士会   092 (741)3208

西日本新聞 8月13日分掲載(金﨑智久)

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