「ほう!な話」

2011年4月21日

被害者に配慮損賠命令制度

殺人事件が発生すると逮捕、起訴を経て、裁判員裁判を受けた後、実刑判決を受けて刑務所へと収容される-。犯人(被告人)にはこの流れで事件は終わりますが、被害者にとっては終わりではありません。

実刑に処せられたからといって、犯人から自動的に損害賠償(お金の支払い)がなされるわけではありません。刑事と民事の事件は別。賠償を受けるには別途、裁判所に民事の事件として手続きが必要です。しかも民事裁判の場合、独自の証拠調べが必要とされ、時間もお金も余計にかかります。

2007年、被害者の負担を軽くしようと「損害賠償命令制度」が導入されました。刑事の事件を担当した裁判所が、そのまま民事の事件でも結論を下すもの。刑事裁判の心証が民事にも事実上引き継がれ、被害者側にとっては証明の負担が軽減されます。原則として4回以内で審理が終結されるので、迅速な解決を図ることもできます。

ただし、犯人の資力次第では実際の賠償金回収ができない場合もありえることは、従前と変わりありません。また、この制度の対象となる犯罪は、故意の犯罪行為により人を死傷させた場合などに限定されます。

犯罪の被害に遭ったら、どんな仕組みが利用できるのかも含めて、弁護士に相談してみてください。

◆福岡県弁護士会は、毎週火曜日(午後4-7時)に無料電話相談を受け付けています。犯罪被害者支援センター=092(738)8363。

西日本新聞 4月21日分掲載(寺田玲子)

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