「ほう!な話」

2012年5月24日

取り調べ可視化が不可欠

「警察をなめたらあかんぞ」「おい、黙るな。言わんと殴るぞ」・・・。ある警察署での取り調べで、実際に捜査官が発した言葉の一部です。刑事事件の取り調べは、取調室という「密室」で行われるため、捜査官と被疑者のやりとりがどのような状況だったのか、裁判の場で問題になることがあります。

被疑者が口にしていないのに、まるで語ったかのような内容の調書ができていたり、捜査官から脅された、だまされたと被告人が訴えたり・・・。こうした場合、裁判では捜査官を証人として法廷に呼び、取り調べの状況に関する証言をさせ、その上で調書の任意性や信用性を判断する-ということが、これまで行われてきました。

しかし、実際に取り調べに問題はなかったのか、真実が解明されないことも少なくなかったのが実情です。調書の証拠としての価値を高めるためにも、取り調べの全ての過程を録音・録画して「見えるようにすること(可視化)」が必要不可欠ではないでしょうか。そこで私たち日本弁護士連合会は可視化を強く訴え続け、最近は少しずつ録音・録画も実施されるようになってきました。

ただし、まだ一部に限られています。やってもいない犯罪の疑いをかけられる可能性は誰にでもあります。可視化しかないというのが弁護活動に日ごろ携わっている私たちの真剣な思いです。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 5月24日分掲載(甲谷健幸)

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