「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
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2014年3月12日

要介護認定に不満、審査請求も

▼Q 母の要介護認定を申請したところ、認定の結果が思ったより軽すぎて不満です。

▼A 要介護認定は重要な判断にもかかわらず、調査に問題があったり、審査が不十分だったりして実態に合わない判定を受ける場合も少なくないようです。まずは認定を申請した市町村の窓口で理由を確かめましょう。

それでも納得できない場合は各都道府県に設置されている介護保険審査会に審査請求を申し立てることができます。審査の結果、認定が不当だと結論づけられた場合は市町村の認定を取り消し、あらためて調査が行われます。この審査請求は、原則として介護度の認定(処分)があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、文書か口頭で行う必要があります。

審査請求の結果にも不服があれば、要介護認定の取り消しなどを求めて裁判所に提訴することもできます。

ただし、審査請求や訴訟の手続きは、期間、管轄といった厳しい要件をクリアしなければならず、専門的な知識が不可欠です。弁護士など専門家にご相談ください。

福岡県弁護士会でも「行政ホットライン」を毎月開催し、行政に関するトラブルや悩み事の相談に無料で応じています(面談と電話)。今月は15日午前11時~午後3時、福岡市中央区の県弁護士会館で。
面談は要予約=092(741)6416。当日の電話相談=092(724)2644=は午後2時まで。

西日本新聞 3月12日分掲載(小牧奈穂子)

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