「ほう!な話」

2014年8月20日

適正手続き保障で長期化も

Q 殺人犯が捕まっても、なかなか裁判が終わらないことに納得がいきません。なぜこんなに時間がかかるのですか?

A 日本の刑事裁判は時間がかかるといわれていますが、実際のところは裁判所に起訴状が届いてから一審判決までの審理期間の平均は3カ月程度(2012年度)。
アメリカやドイツはおおむね6カ月といわれていますので、決して長いというわけではありません。

ただ、否認事件などでは長期にわたる場合が多いです。いろんな理由がありますが重要な考え方のひとつに「適正手続き」があります。法律で適正な手続きを定めることで公権力から市民の権利、特に身体の自由と生命を保障する考え方です。日本は憲法でこの考え方を採用(憲法第31条)。刑事訴訟法で適正な手続きの在り方を定めています。
刑事裁判は憲法と刑事訴訟法に基づいた手続きかを常に検証しながら運営されるため、長期にわたることもあるのです。

死刑が予想される事件でも手続きは同じですが、死刑は生命を奪う究極の刑罰で執行すれば取り返しが付きません。アメリカでは「スーパー・デュー・プロセス」という考え方があります。
通常の適正手続きの保障を越えて特別な手続き保障を要求する考え方です。死刑制度の賛否にかかわらず、日本でも「スーパー・デュー・プロセス」が根付くことが期待されます。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552

西日本新聞 8月20日分掲載(徳永響)

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