「ほう!な話」

2013年2月9日

「私生活の非行」で懲戒解雇も

▼Q 当社の従業員が休日に痴漢容疑で逮捕され、報道されました。懲戒解雇にできますか。

▼A 懲戒解雇は、従業員が職場の秩序に違反したことに対する制裁です。質問のケースは「私生活における非行」なので懲戒解雇にはできません。

もっとも、従業員は雇用契約上、会社の名誉や信用を毀損(きそん)してはならない義務を負っています。会社の業種や規模、違反行為の内容、当該従業員の会社における地位などを総合的に勘案し、社会的評価に及ぼす悪影響が相当重大であると判断される場合は、会社の信用を毀損したものとして「私生活における非行」を理由に懲戒解雇できます。

裁判例として「バス会社の運転手が休日に飲酒運転をして罰金刑に処された」「鉄道会社の従業員が3回にわたって電車内で痴漢行為をして逮捕・起訴された」事案は懲戒解雇が有効とされました。一方で「酩酊して住居侵入罪で逮捕・起訴されて罰金刑に処せられた」「業務外の道交法違反で起訴されて罰金に処せられた」場合は無効とされています。

このように、逮捕や起訴をされても懲戒解雇の有効性の判断は分かれます。また、刑事裁判は刑が確定するまでは無罪(無罪推定の原則)なので、どの時点で解雇するかも慎重に判断する必要があります。

懲戒解雇を検討する前に、法律の専門家である弁護士のアドバイスを受けることをお勧めします。福岡県弁護士会は、中小企業の経営者を対象として初回のみ相談無料の「ひまわりほっとダイヤル」=(0570)001240=を実施しています。ご利用ください。

西日本新聞 2月9日分掲載(瓜生修一)

目次