「ほう!な話」

2012年7月5日

金融商品販売に説明義務

▼Q 認知症になった父の通帳を確認すると、この1年間に数千万円もの預金が引き出されていました。銀行に尋ねると「投資信託」という金融商品を購入したそうで、数百万円の損失も出ていました。父は購入したことも理解していないはず・・・。損失を取り返せますか。

▼A 最近は証券会社だけでなく、銀行も金融商品を販売しています。銀行だと安心感や信頼感があるからなのか、たとえ元本保証がないといったリスクがあっても、意識しないまま高利率の定期預金のような感覚で購入する人もいます。

金融商品の販売業者は、顧客の知識や経験、財産の状況などに応じ、購入前に顧客に理解してもらえるだけの説明をする義務があります。そうした説明がなければ、それを理由に損失を取り戻せる場合があります。

ただし今回の場合、認知症の程度によっては、損害賠償請求手続きを弁護士に依頼することさえ難しいかもしれません。

認知症をはじめ判断能力の低下した人については、事前に法律行為を代行する人を決めておく成年後見制度があります。この制度を使い、この相談のようなケースで被害回復のために裁判を起こした例もあります。

お年寄りの悩みについては、各県の弁護士会が面談や電話で相談に応じています。まずは本人と一緒に、あるいは本人に代わって気軽にご相談ください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 7月5日分掲載(古賀美穂)

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