「ほう!な話」

2017年2月8日

少年犯罪は凶悪化しているのか?

▼Q 事件報道に触れるたびに、少年犯罪は凶悪化していると感じます。少年法の対象年齢を18歳未満に引き下げたり厳罰化したりする法改正の議論を考えるために、本当に凶悪化しているのか知りたいです。

▼A 法務省のホームページで閲覧できる「犯罪白書」(2016年版)の統計を確認しましょう。

少年による刑法犯・危険運転致死傷・過失運転致死傷などの検挙人員は1983年の31万7438人をピークに、95年まで減少傾向にあり、その後の増減を経て、2004年から減少を続けています。15年は戦後最少の6万5950人(前年比17.0%減)でした。人口10万人当たりの検挙人員でも04年から減少を続け、25年は577.8人となっています。

では罪名はどうなっているのでしょうか。

15年の刑法犯の検挙人員を罪名別にみると窃盗60.2%、放置自転車などの遺失物等横領12.9%と、この2罪で73.1%を占めています。一方、いわゆる凶悪犯の殺人は0.1%、強盗0.9%、放火0.2%、強姦(ごうかん)0.2%となっています。

長期的にも、殺人による戦後の検挙人員は1951年と61年の各448人がピークで、75年には初めて100人を切り、2015年は62人でした。

統計を見る限り、少年犯罪が増加・凶悪化していると結論づけることは難しいです。法改正を議論するときは、事実に目を向けて議論をしていきたいですね。

西日本新聞 2月8日分掲載(楠田瑛介)

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