「ほう!な話」

2012年3月22日

退去時の原状回復に基準

引っ越しシーズンになると、賃貸住宅を退去する際に原状回復費用の負担をめぐる家主との間のトラブルが増えてきます。

費用が正当かどうかは、国土交通省が2011年8月に再改訂版として発表した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で確認するのが有益です。

これによると、借り主は基本的に自らの故意・過失(不注意)で損耗が生じた部分についてのみ回復すれば足ります。日常生活を送る上で生じた損耗は家賃に含まれるので負担の必要はない、と考えます。天災や第三者の行為が原因の場合も負担する必要はありません。

例えば、フローリングの色落ち。日照が原因の場合は負担する必要がない一方、窓を開け放しにしたために雨が降り込んで色落ちした場合は負担しなければなりません。ただし、後者の場合も全面的な張り替えではなく、必要な範囲のみ(1平方メートル単位)の補修費用を負担すれば足ります。

ただ、ガイドラインには法的な拘束力はありません。従って個別の契約において、基準と異なる特約を設けることも可能です。そこで入居の際は契約書に特約がないか注意し、後日のトラブルを避けるためにも建物内を見渡し、損耗を見つけたら写真に撮っておくことをお勧めします。退去の際も同様です。

話し合いでも納得ができない場合、少額訴訟や民事調停の手続きを利用しましょう。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 3月22日分掲載(岡部史卓)

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