「ほう!な話」

2013年8月28日

自死遺族対象に無料法律相談

▼Q 夫が自ら命を絶ちました。過労がたたって休職した直後のこと。ローンなど夫名義の借金が残っていて今後の生活が不安です。自死でも生命保険金は下りるのでしょうか。

▼A 年間約3万人が自死で亡くなっています。多くは個人の自由な意思や選択の結果ではなく、さまざまな悩みがあって心理的に追い込まれた末の死だといわれています。

生命保険金は約款にもよりますが、契約から2~3年後の自死であれば支払われます。うつ病による自死は、自由な意思決定によって自己の生命を絶ったとはいえないとして、保険金が支払われると判断した裁判例もあるので諦めないでください。

一方、遺族は多くの法律問題への対処を迫られます。まずは相続。遺産の内容に応じ、預貯金などのプラス財産と借金などのマイナス財産を併せて引き継ぐ「単純承認」▽プラス財産の範囲内でマイナス財産を承継する「限定承認」▽一切を承継しない「相続放棄」-のいずれの方法が適切か検討します。

その際、生命保険は受取人の指定が妻の場合、遺産に含まれないので相続放棄しても、別途、妻が受け取れます。死亡退職金も社内規定によっては同様に考える余地があります。労災補償も遺族が対象なので遺産の範囲には含まれず、相続放棄をした後でも請求できます。

福岡県弁護士会は自死遺族を対象に無料法律相談(面談と電話)を行っています。弁護士と心理専門職(臨床心理士や精神保健福祉士)がペアとなり、心の面も支えます。

◆自死遺族を対象にした無料法律相談=原則毎月第1水曜午後1時~5時、福岡市中央区渡辺通5丁目の天神弁護士センター=092(738)0073。

西日本新聞 8月28日分掲載(世良洋子)

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