「ほう!な話」

2016年1月13日

遺産相続には「遺留分」あり

▼Q 先日、母が亡くなりました。母の遺言書には、遺産(総額4千万円)の全てを兄に相続させると書いてありました。母の相続人は私と兄しかおりません。亡くなるまでの二十数年間は私と母と同居。足が不自由だった母の介護をしてきました。私には全く相続できないのでしょうか。

▼A 遺言がなければ、法定相続分(兄1/2、妹1/2)に従い遺産分割することになります。ただ、ご質問のように全ての遺産を1人の相続人に相続させる遺言があった場合、その遺言が法的に有効なら、遺言で定められた内容が優先され、遺言で指定された者だけが遺産を相続することになります。

ただ、法定相続人には遺言によっても奪われることのない相続財産の取り分である「遺留分」が認められます。ご相談のようなケースでは、相談者の遺留分としては、法定相続分の1/2すなわち1/4が認められるので、兄に対して遺産のうち1千万円分を渡すよう請求できます。

遺留分の請求は、相談者が兄と交渉してみることが考えられますが、まとまらない場合には、家庭裁判所の家事調停や弁護士会が行っているADR(裁判外紛争解決手続き)を申し立てることが考えられます。ADRは調停などと比べて迅速な解決を図ることができるのが魅力。お住まいの地域の弁護士会にお問い合わせください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 1月13日分掲載(高木士郎)

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