「ほう!な話」

2013年6月26日

中小企業の海外進出、慎重に

▼Q 社員20人の会社で働いています。東南アジアの会社から、わが社の製品を買いたいという申し込みがあり、担当することになりました。海外取引は初めてで不安です。

▼A 相手の国とは言葉も法律も商慣習も異なり、日本の常識が通用しない場合もあります。トラブルになって裁判を起こそうとしても、日本の裁判所が受け付けてくれるとは限らず、外国で裁判を起こすには大きなコストがかかります。そこで、そもそもトラブルにならないよう予防する姿勢が大切です。

まず、取引相手が架空の企業でないか、信用はあるかなどを事前にしっかり確認します。次に、条件面について事前交渉を行ったら合意した内容をきっちりと契約書に盛り込み、契約書を取り交わすことが大切です。

特に質問のケースは売り主側なので、販売する製品について後々クレームをつけられないように型式や性能、保証の範囲などを契約書に明記しておきましょう。また、商品を送ったのに代金を回収できないというリスクを回避するために、先払いか信用状(貿易決済のために銀行が発行する証書)を利用する条件で契約することを目指して交渉してはいかがでしょうか。

グローバルな時代、小さな企業にも海外進出のチャンスが増えてきました。半面、リスクも高く、企業規模が小さいほど一つの失敗が経営に直結しかねません。従業員の生活を守るためにも慎重に進めたいものです。

日本弁護士連合会が設置している全国共通の「ひまわりほっとダイヤル」=(0570)001240=では海外取引も含め、中小企業の経営に関する相談に無料で対応しています。気軽にお電話ください。

西日本新聞 6月26日分掲載(松井仁)

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