「ほう!な話」

2011年6月9日

相続手続きは延長も可能

家族が亡くなると、自動的に「相続」が始まります。預貯金や土地などプラスの財産・権利のみならず、借金をはじめとするマイナスの負債・義務も引き継ぐことになります。

選択肢は三つ。(1)プラスもマイナスも受け継ぐ「単純承認」(2)一切を引き継がない「相続放棄」(3)プラスの範囲でマイナスを受け継ぐ「限定承認」-のいずれかを「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内(熟慮期間)」に選ばないといけません。

相続放棄も限定承認も家庭裁判所で手続きをします。何もせずに3カ月が過ぎてしまうと、原則として(1)の単純承認をしたものとみなされる仕組みです。

ただし、熟慮期間の延長を申し立てることができます。この手続きをしておけば、延長期間中に負債の状況などを調べたりして判断材料が得られます。

東日本大震災で家族を亡くした方は、この期限が迫っています。決められない場合は、とりあえず、延長手続きを取ることをお勧めします。最寄りの家庭裁判所に駆け込んでください。

日本弁護士連合会は今回の震災を受けて、熟慮期間の延長を求める意見書を発表しました。ただ、現行法下では延長手続きをしておく方が賢明です。書類に多少の不備があっても後日追完することも可能で、相続人1人につき800円(別に切手代)でできます。

◆天神弁護士センター=092(741)3208(要予約・30分5250円)

西日本新聞 6月9日分掲載(春田久美子)

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