「ほう!な話」

2010年7月9日

犯罪被害者への支援拡大

「息子はなぜ殺されたのか」「妻の命が戻らないなら、せめて死刑に」・・・。犯罪被害に遭った人や、その遺族の悲痛で切実な声です。しかし、その声が被告人に直接届けられることは、ほとんどありませんでした。

被害者は長らく、刑事裁判の流れにおいて、いわば「蚊帳の外」でした。遺族も、裁判所の考えによって、法廷に遺影を持ち込むことすら制限されたり。

その状況が2008年12月施行の法律で大きく変わりました。例えば、被害者本人や遺族が裁判の場で直接、被告人に質問でき、検察官とは別に求刑に関する意見も述べられるようになりました(被害者参加制度)。

新しい制度はできても自分1人ではなかなか動けない。そんな人には、費用負担のない「国選被害者参加弁護士制度」もあります。賠償金など民事上の責任を問う場合、これまでは刑事裁判とは別に民事裁判を起こす必要がありましたが、刑事裁判の手続きの中で損害賠償を命令してもらえる仕組みも登場しました(損害賠償命令制度)。

また、一定の範囲の犯罪に限定されますが、被害者本人や遺族を対象にした給付金も支給対象が拡大し、支給期間も延びるなど、手厚くなってきています(犯罪被害者等給付金)。

犯罪被害に遭うと、目の前が真っ暗になるものですが、法の窓口は開かれています。私たちも力になります。

▽福岡県弁護士会の犯罪被害者支援専門の無料相談
(092(738)8363)(火曜)。直接面談も初回無料。

西日本新聞 7月9日分掲載(栗脇康秀)

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