「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2014年6月11日

労働条件でトラブル多発

▼Q ハローワークの求人票で仕事を見つけました。働き始めてから、求人票の記載より給料が少ないことに気付きました。どうすればいいですか。

▼A 労働者の募集にあたり、使用者は賃金や勤務時間などの労働条件を明示しなければなりません(職業安定法)。しかし、現実には求人票の記載と実際の労働条件が異ることがあり、ご相談のようなトラブルが起きてしまいます。

働き先を選ぶ側は求人票の情報が頼りなので、そこに示された労働条件は守ってもらわなければなりません。その情報と異なる「特段の説明」が採用時になされたというような事情がない限り、求人票に示された条件が労働契約の内容となります。

相談者の場合、まずは使用者に対して、求人票で示された額の給料を支払うよう申し入れましょう。言いにくければハローワークに相談し、使用者に是正を申し入れてもらう方法もあります。このように求人時と労働条件が異なる場合、働く側は直ちに労働契約を解除することもできるので(労働基準法)、新しい職を探す選択も可能です。

最近は過酷な働き方を強要する「ブラック企業」が増えているとの報告もあり、労働条件に関するトラブルが問題となっています。福岡県弁護士会は、労働者側からの法律相談には無料で対応しています。気軽にご利用ください。

◆福岡県弁護士会の相談窓口案内=(0570)783552(なやみここに)

西日本新聞 6月11日分掲載(高木士郎)

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