「ほう!」な話『「ほう!」な話』は福岡県弁護士会の弁護士が西日本新聞紙上で執筆している法律コラムです。
最新のコラムは水曜日朝刊に掲載されます。

2017年7月5日

夫婦関係を修復する「円満調停」とは

▼Q 夫との関係がうまくいかず、悩んでいます。離婚も考えますが、子どもも小さく、ちゅうちょしています。何か良い助言はありますか。

▼A 離婚について相談を受ける中で、そもそも「離婚すべきかどうか悩んでいる」といったケースに遭遇することがあります。そういった場合は、すぐに離婚を勧めるのではなく、夫婦関係の修復を探る道もあるのですよ、とアドバイスすることがあります。

当事者同士では、円満な夫婦関係を回復するための話し合いがなかなかうまくいかない場合、その手助けをする役割として家庭裁判所の調停手続きを利用することができます。

これは「夫婦円満調停」と呼ばれていて、家裁の調停委員が、当事者双方から話を聞き、関係が円満でなくなった原因は何か、どう努力すれば関係が改善に向かうかなど、必要な助言をする形で進められます。

調停は非公開で、当事者が同席せず、交互に話を聞いてもらうことも可能ですので、気兼ねなく話せます。担当の調停委員には守秘義務が課され、話の内容が外に漏れることもありません。

この調停手続きは離婚した方がよいかどうか迷っている場合にも利用でき、具体的な手続きについては、弁護士がアドバイスできます。

福岡県では17ある県弁護士会の法律相談センターに相談してください。相談予約電話は(0570)783552(なやみここに)。

西日本新聞 7月5日分掲載(山本健太)

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