会長日記
2024年6月1日
会長 德永 響(50期)
みなさま、こんにちは。
◆福岡県弁護士会総会・就任披露宴
「総会までは大変だよね」と周囲の方々から呪文のように声をかけていただくことが多いのですが、その令和6年度福岡県弁護士会総会を5月24日に開催しました。この日は、福岡県弁護士会協同組合総会に始まり、福岡県弁護士会総会、引き続いての記者会見、西澤哲氏による講演会「教育虐待を考える」、場所を変えての就任披露宴と予定が組まれており、息をつく暇もなく予定されたイベントの進行に邁進せねばならない日でもあります。
総会では「暴力団被害者の支援の拡充を求める決議」と「刑事身体拘束手続に関する裁判所の運用改善を求める決議」を承認いただいております。
また、今年度はコロナ禍を脱したこともあり、役員就任披露宴を開催しました。主任として関与していた私の当時の意識をもとに、手間暇だけがかかるのなら開催に意味があるのか?と自問しておりましたが、結果は「実施してよかった!」です。当会を介して集まった方々との意見交換を楽しみにしている参加者がいらっしゃるばかりか、弁護士会のイベントとして、多数の参加者を得て、会の活動を中心に宴を進めることができ、いわゆる「弁護士の敷居」を下げるための一歩になることを痛感したからにほかなりません(若手のころには感じることができなかったものを感じることができました。)。若干国際情勢の影響を受けながらも、就任披露宴を無事了することができました。みなさま、ご意見、ご協力ありがとうございました。
◆裁判員裁判15周年の取材
裁判員裁判がはじまって15年が経過し、制度の現状や問題点について会長にお聞きしたい!という申し出に応じて、弁護士会館で取材を受けました。
私は、刑事弁護等委員会の所属も長く、制度が始まる前の福岡県弁護士会『裁判員劇』にも出演させていただきましたし、その後に裁判員推進本部に深くかかわっていたものですから、裁判員候補者の辞退率が高いといった現状や公判前整理手続の長期化・守秘義務によって裁判員裁判の検証が阻まれていることなどの問題点を、時間を忘れて、熱く、熱く40分近くカメラの前で語りました。
ニュースに登場した私のコメントは!
わずか7秒・・・、熱意が空回りした音がハッキリと聞こえました。
◆九州法曹協議会の開催
福岡高検検事長、福岡高裁長官、九弁連理事長を筆頭に管内の検事正、地・家裁所長、弁護士会会長等が参加して、九州法曹協議会が開催されました。年に1回開催されているこの会でも、大きくまとめると裁判のIT化に関係する提案議題への回答や意見交換が集中して行われ、まさしくIT化に関する問題が法曹界にとって喫緊の課題であることが確認できました。
情報の管理について、情報を取り扱う各人が意識を高める必要があることはいうまでもありません。もっとも、いかに意識を高めても、IT化が進んでも、人為ミスによって想定外の事態が発生してしまう可能性があることは否定できません。むしろ、人為ミスは必ず起きます。ミスが生じた際の対応を検討しておく必要があるように思いますし、個人のミスなのだから、組織として対応する必要はないと安易に考えてしまうようでは、人為ミスは減らないばかりか、情報漏洩が個人の心構えだけに委ねられてしまう危険も少なくないと危惧するところです。