会長日記
2019年3月1日
会長 上田 英友(40期)
皆さま、こんにちは。本年度も、残り僅かとなりました。
さて、今月号では、当年度執行部にとって最大の業務であった当会の新会館への引っ越しと新会館の設備について、お話しをしたいと思います。
◆新会館の引き渡し(1月15日)
新会館が竣工し、1月15日にその引き渡しを受けました。
マンションの一室の引き渡しであれば、玄関の鍵を2、3本受け取るくらいですが、なにせ延床面積が4000平方メートルの4階建ての建物です。引き渡しに際して受け取る鍵も数十本あり、大きな鍵箱で受け取りました。他にも、受領すべき書類が多数あり、その確認だけでも1時間程度は必要でした。新会館の大きさを改めて認識しました。
◆竣工式と直会(1月23日)
昨年1月22日の起工式から1年後の本年1月23日、新会館の2階大ホールで竣工式を執り行いました。竣工式には、歴代会長、新会館取得推進本部のメンバーにも多数ご参列いただきました。
竣工式の後の直会(なおらい)には、設計監理を担当いただいた古森弘一建築設計事務所、建築を担当いただいた奥村組、新会館建設のプロジェクトに最初からご協力いただいた日本建築家協会九州支部の皆さまなどにご出席いただきました。
◆記者会見と報道陣による内覧(1月24日)
竣工式の翌々日には、市民の皆様に対して新会館を披露するため、2階大ホールで記者会見を行い、報道関係者に対して、新会館を公開しました。
記者会見には、古森弘一建築設計事務所から橋迫弘平一級建築士にもご参加いただき、新会館の建築上のアピールポイントを分かり易く解説していただきました。おかげさまで新聞5紙、TV2局で報道いただきました。
◆引っ越し作業(2月8日~15日)
2月9日から11日にかけて、旧会館から新会館へ荷物の搬送を行い、その後、12日から新会館にて、荷物の開梱、整理をしました。
弁護士会特有の荷物は、大量の文書ファイルです。その箱の数は、2000個を超えたと伺っています。
搬送については、運送業者のノウハウには感心させられることが沢山ありました。写真は、搬出のために、並べられた大量の段ボール箱ですが、これは、適当に積み上げられているのではなく、搬入先である新会館のフロアーや部屋ごとに、分類して並べられています。そうしないと、バラバラに運び込むと新会館で収拾がつかなくなるからです。その他、さすがプロだ!と思わせる点が多々ありました。
◆新会館の紹介
会館の設計に当たっては、市民の皆様に開かれた会館、そして福岡らしい会館をコンセプトにしていただきました。まず、エントランスがガラス張りのアトリウムになっており、博多織の献上柄をモチーフに装飾したステンレス壁と左官による布のような感じが出ている土壁が、木製の床と合わせて、来館者を暖かく迎え入れます。
市民の皆様向けの設備として、1階の六本松法律相談センターの相談室は、木や土の自然素材を生かした家庭の部屋のような暖かな仕上げとなっており、家具もダイニングテーブルのようなものを選んでいます。
そして、2階には、スクール形式で270名を収容できる大ホールがあり、市民向けのシンポジウムやセミナーなどの開催を予定しております。空調の吹き出しはなく、床のカーペットの細かな穴から柔らかい風が吹き出します。また、来場者の出入りの便宜を考えて、2階に設置しました。
環境面にも配慮して、断熱に力を入れてエアコンの消費電力を抑えるようにしているほか、外部からの採光を活用しており、自然光の量に応じて室内のLED照明の照度も自動調整されるので、照明による消費電力も抑えることができます。同程度の建物と比較して、約60%のエネルギー消費の削減となっております。
これまでの会館は、裁判所の構内にあり、しかも、裁判所の6階建ての建物の裏に隠れていたため、市民の目に触れる機会は大変少ない状態でした。新会館は、九州大学教養部跡にできた新しい街の中にあり、大通りからもその姿が確認できますし、裁判所に来られた方は、常にその存在を認識されます。
また、弁護士会館の広報のために、西鉄バスと契約をし、最寄りの停留所でのバスアナウンスでは、「次は、六本松、不安を安心に。福岡県弁護士会入り口です。」とのメッセージが流れるようになりました。
新会館を当会の新しい活動拠点として、いっそう市民の皆様に寄り添う活動を続けてまいりたいと思います。